困ってるひと (ポプラ文庫) [文庫] 大野更紗 (著) を読了しました。
大学院生時にミャンマーの難民救済ボランティアなどにかかわり、フィールドワークなどをする中、ご自身が大変な難病(重度の自己免疫疾患)に罹患して以来の、 壮絶な闘病記をユーモアを交えて見事に書き下ろした著書です。
ウェブ上などで話題となり(ほぼ日刊イトイ新聞に対談掲載、文庫本推薦文はショコタンなど)、12万部を超えるベストセラーになりました。
同書は、難病罹患(者)に社会や多くの人の目を向けさせる新たなきっかけを作り、また、多くの困難を抱える人々=つまり、生き辛さを感じている私たちすべてに何かとてもフレッシュで、好奇心とユーモアに満ちた力強い勇気を、「生きていくことに困ってる人々」、に与えてくれていると思います。
物事全般に対する配慮と分析力と、感覚の繊細さを兼ね備えた<賢さ>を感じます。
恋のエピソードなどなどでは、思わず泣いちゃいます。
・・・読了してつくづく思うのは、「自己免疫疾患」の難治についてです。
ステロイド剤が、「自己免疫疾患」の多くに施される薬品ですが、慢性的に投薬が続くと自分自身の副腎からのステロイド分泌が減ってしまうために強力な副作用があるため、「難治」状態を招く原因にもなるという、なかなか厄介な側面を持つ薬です。
私の患者さんで、毎週、2年半ほど通っていらっしゃる方も、「自己免疫疾患」を長く患っていらっしゃいます。
この、ステロイド剤投与の弊害をはじめ、医療の知識がとても豊富な方です。
彼女が熟考の末に選択したのが、私の鍼灸治療というわけですが、これによって、内科の主治医の医師との相談の上で、薬品摂取全般、特にステロイド剤と痛み止めの投薬量を減らすことに成功している優れた例となっている方です。
鍼灸治療について、この患者さんのような素晴らしい結果を予言されているドクターがいらっしゃいます。
おそらく多くの方が既によくご存知の、免疫学の権威、安保徹先生です。
安保徹先生の説は多くの著書にほぼ毎回書かれている次のくだりとなります。
「自己免疫疾患」は、西洋医学では自己の免疫(システム)が亢進しすぎて、自己を破壊していく疾患とされている。
そのため、西洋医学の治療では、自己の免疫(システム)を抑制する処方をとるが、これは治療としては間逆の選択であるために、いつまで経っても患者は良くならない。
適している治療は、鍼灸などの東洋医学である。
なぜなら、「自己免疫疾患」は、患者の交感神経が昂った(興奮した)ことによるものなので、これを鎮めて、交感神経に拮抗する副交感神経を亢進させて患者をリラックスした状態にする優れた効果のある、鍼灸などの東洋医学療法を勧める、というものです。
大野さん、私の患者さんたち、そして、「自己免疫疾患」に苦しまれる方々に、どうか希望を捨てず過ごされることをお祈りいたします。
陰ながら、こころから応援させていただきます!!!
おからだの不調で「困ってる人」、どうぞお気兼ねなくお問い合わせくださいませ。
一緒に、がんばり過ぎずにがんばりましょう。
そして、リラックスしましょう。
ご一緒に。
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はり・きゅう治療院 じんじん
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