2013年9月12日木曜日

『困ってる人』と「自己免疫疾患」とについて。

 


困ってるひと (ポプラ文庫) [文庫] 大野更紗      を読了しました。

大学院生時にミャンマーの難民救済ボランティアなどにかかわり、フィールドワークなどをする中、ご自身が大変な難病(重度の自己免疫疾患)に罹患して以来の、 壮絶な闘病記をユーモアを交えて見事に書き下ろした著書です。

ウェブ上などで話題となり(ほぼ日刊イトイ新聞に対談掲載、文庫本推薦文はショコタンなど)、12万部を超えるベストセラーになりました。

同書は、難病罹患(者)に社会や多くの人の目を向けさせる新たなきっかけを作り、また、多くの困難を抱える人々=つまり、生き辛さを感じている私たちすべてに何かとてもフレッシュで、好奇心とユーモアに満ちた力強い勇気を、「生きていくことに困ってる人々」、に与えてくれていると思います。

物事全般に対する配慮と分析力と、感覚の繊細さを兼ね備えた<賢さ>を感じます。
恋のエピソードなどなどでは、思わず泣いちゃいます。
 
・・・読了してつくづく思うのは、「自己免疫疾患」の難治についてです。
 
ステロイド剤が、「自己免疫疾患」の多くに施される薬品ですが、慢性的に投薬が続くと自分自身の副腎からのステロイド分泌が減ってしまうために強力な副作用があるため、「難治」状態を招く原因にもなるという、なかなか厄介な側面を持つ薬です。
 
私の患者さんで、毎週、2年半ほど通っていらっしゃる方も、「自己免疫疾患」を長く患っていらっしゃいます。
この、ステロイド剤投与の弊害をはじめ、医療の知識がとても豊富な方です。
彼女が熟考の末に選択したのが、私の鍼灸治療というわけですが、これによって、内科の主治医の医師との相談の上で、薬品摂取全般、特にステロイド剤と痛み止めの投薬量を減らすことに成功している優れた例となっている方です。
 
鍼灸治療について、この患者さんのような素晴らしい結果を予言されているドクターがいらっしゃいます。
 
おそらく多くの方が既によくご存知の、免疫学の権威、安保徹先生です。
 
安保徹先生の説は多くの著書にほぼ毎回書かれている次のくだりとなります。
 
「自己免疫疾患」は、西洋医学では自己の免疫(システム)が亢進しすぎて、自己を破壊していく疾患とされている。
そのため、西洋医学の治療では、自己の免疫(システム)を抑制する処方をとるが、これは治療としては間逆の選択であるために、いつまで経っても患者は良くならない。
適している治療は、鍼灸などの東洋医学である。
なぜなら、「自己免疫疾患」は、患者の交感神経が昂った(興奮した)ことによるものなので、これを鎮めて、交感神経に拮抗する副交感神経を亢進させて患者をリラックスした状態にする優れた効果のある、鍼灸などの東洋医学療法を勧める、というものです。

大野さん、私の患者さんたち、そして、「自己免疫疾患」に苦しまれる方々に、どうか希望を捨てず過ごされることをお祈りいたします。
陰ながら、こころから応援させていただきます!!!

おからだの不調で「困ってる人」、どうぞお気兼ねなくお問い合わせくださいませ。

一緒に、がんばり過ぎずにがんばりましょう。
そして、リラックスしましょう。
ご一緒に。
 
http://www.amazon.co.jp/%E5%9B%B0%E3%81%A3%E3%81%A6%E3%82%8B%E3%81%B2%E3%81%A8-%E3%83%9D%E3%83%97%E3%83%A9%E6%96%87%E5%BA%AB-%E5%A4%A7%E9%87%8E%E6%9B%B4%E7%B4%97/dp/4591130215



はり・きゅう治療院 じんじん

2013年8月14日水曜日

☆『はり100本-鍼灸で甦る身体』と『腰鍼~鍼灸で心身の痛みを断つ!』竹村文近 著の紹介です♪

 
おそらく帯を見てお察しの通り、釣瓶さん、タモリさん、山下洋輔さん、吉行和子さん、加賀まりこさん、稲葉賀恵さん、操上和美さん・・・などなど、名だたる有名人の体の管理と健康維持を引き受けていらっしゃる鍼灸師の方の、わかりやすい文体で書かれた気構えと手技、考え方が紹介された2冊です。

「自営業」の方、芸能人、クリエイティヴな職業の方々は、やはりご自分の体調管理と最高のパフォーマンスのためにこういう選択をされてるのでしょう。...

ちょっとミーハーな興味から読んでみても面白い本だと思います。

※以下はアマゾンの紹介コメントの抜粋です。

原因不明の頭痛、腰痛は、身体が発する悲鳴だ。西洋医学だけでは根本的な解決にはならない。
不規則な生活習慣、様々なストレスにさらされ続ける現代人は、身体が本来持っている力を失ってしまっている。免疫力、自然治癒力という、人間が太古に身につけていた活力を取り戻すことが、今求められている。
鍼灸の力は、身体からの警告に耳を傾け、生命力を甦らせてくれるのだ。従来のイメージを覆す、新・鍼灸のすすめ。


http://www.amazon.co.jp/はり100本-鍼灸で甦る身体-新潮新書-竹村-文近/dp/4106101688/ref=pd_sim_b_1




はり・きゅう治療院 じんじん

☆鍼灸の挑戦―自然治癒力を生かす (岩波新書) 松田傳公 著 の紹介です♪



元共同通信編集委員の筆者による、丁寧な取材をもとにした「鍼灸医療」の、ジャーナリスティックな視点でまとめられたルポルタージュ集。

今、日本で活躍される名人級の鍼灸師のコメントや手技の紹介もあり、とても興味深く読めます。...

私も実際に施術を受けたり、研究会で手技やお考えを教えて頂いた名人も登場しています。

※以下はアマゾンの紹介コメントの抜粋です。

鍼灸とは何か。鍼灸師はどんな治療をしているのか。代替医療の覇者と目されながら知られざる鍼灸術の世界をルポし、患者さんの鍼灸師探しに、鍼灸家の治療の指南に役立つ、わが国唯一の「現代鍼灸家列伝」。

元共同通信編集委員の著者が、5年を掛けて北海道から九州まで約80人の鍼灸師、医師を探訪し、情報が不足している鍼灸医療のわざと理論、文化的背景、現代的意味についてまとめた。同じ著者による2010年6月刊行の歴史・理論篇『日本鍼灸へのまなざし』(ヒューマンワールド)の姉妹編としての治療実践篇である。

 はり1本、ひとつまみのモグサで時には奇跡的な治癒をもたらす鍼灸は、お金の掛からない医療としてWHOも推奨し、欧米政府も注目している。

もはやアジアだけのものではなく、100カ国以上で臨床に応用されている「世界の鍼灸」である。

今世紀中には、西洋医学と互角に並ぶ位置を占め、医療を人間的にしていく文化的な役割もになうだろう...。


 http://www.amazon.co.jp/鍼灸の挑戦―自然治癒力を生かす-岩波新書-松田-博公/dp/4004309328/ref=pd_sim_b_1




はり・きゅう治療院 じんじん

☆『鍼灸の世界』 (集英社新書) 呉澤森 著の紹介です♪


 

上海中医薬大学出身、WHO中国国際鍼灸センターの指導教官だった中医師(中国で医師国家資格である「中医学」の医師)である筆者による、「中医鍼灸学」入門書です。
「鍼灸」の最先端治療とは? 現代病に悩む方々に一冊の新書。

北里大学に招かれたことがきっかけとなり、今は日本で鍼灸師として活躍される筆者。...

鍼灸治療の歴史や優れた点、西洋医学との比較などが、とても分かりやすく且つ論理的に明快に書かれているので、鍼灸治療に興味のある方、また疑問のある方にお勧めの一冊です。


http://www.amazon.co.jp/鍼灸の世界-集英社新書-呉澤森/dp/4087200574




はり・きゅう治療院 じんじん

2013年7月31日水曜日

熱中症対策にはちょっと”甘しょっぱい”水を!

熱中症対策の飲み物が”甘しょっぱい”わけをお話しましょう。

熱中症対策として薦められている飲み物や、スポーツドリンクをちょっと”甘しょっぱい”と感じることでしょう。

これは、身体の中に水分を取り込むメカニズムを上手に活用しているためです。

塩分と糖分の両方を同時に摂る方が、より効率よく塩分、糖分、そして水分を身体に吸収させることができるのです。

更に詳しく説明しますと、私たちの小腸の頂端膜や腎臓の上皮細胞を通るグルコース(<糖分>と考えてください)の輸送は、二次的に活性化されるナトリウム-グルコース共輸送体タンパクが司っており、そこから身体全体にエネルギーや電解質、そして水分が吸収されるのです。

ナトリウムイオン共輸送体のつくるNa+の電気化学的勾配によって供給されるエネルギーを利用して、グルコースの細胞内濃度を高められるのです。
暑熱環境下で汗をたくさんかいている時には、水分補給は大変重要となります。

1リットルの水分を汗で失うごとに、およそ直腸温は0.3度、心拍出量は1分間当たり1リットル、心拍数は1分間当たり8拍上昇すると言われています。

体温が上昇したときには、皮膚血流の増加と発汗によって熱を外に逃がし、体温を一定に保つ機能が備わっています。

しかし、発汗が続いて多くの水分と電解質を失った場合には、血液性状の変化や血漿量(血液中の水分の量)の減少が起こり、この体温調節機能がうまく働かなくなります。
その結果、熱中症のうち症状が最も重篤な熱射病が起こる危険が高まってしまいます。

水温は5~15度で0.2%程度の食塩と4~8%程度の糖分を含んだものが適当とされています。

ご自分で熱中症対策の飲み物を作られる際には、この割合をご参考になさって下さいませ。

※糖分が多すぎると、逆に身体への吸収が遅くなることがあるようですのでご注意くださいね。

(実際に、ブドウ糖だけ、あるいはナトリウムだけの溶液より、それら両方を含んだ溶液の方が水分の吸収が速いことが実験で明らかになっています。
また、単糖であるブドウ糖に比べて、同じ糖質量であれば重合した(マルト)デキストリンの溶液では浸透圧が低くなるため水分吸収が速まりますし、ショ糖の溶液あるいはブドウ糖と果糖の混合溶液ではブドウ糖以外の糖の影響により水分吸収はさらに速まることも報告されています。)

また、猛暑がぶり返す予報が出ていますね。

熱中症対策にはちょっと”甘しょっぱい”水を飲んで、この夏を元気に過ごしましょう!




はり・きゅう治療院 じんじん

2013年7月2日火曜日

アンジェリーナ・ジョリーさんの選択...Now, let's talk about BREAST CANCER!

...Now, let's talk about BREAST CANCER!
How do you support Ms. Angelina Jolie's choice?

アンジェリーナ・ジョリーさんの乳がん予防乳房切除が話題ですね。

立派な社会活動も行い、社会的影響力の強い、そしてたいへん美しい彼女のこの選択に至るお話も、色々伝えられています。
...

「乳がん」とは、原発性のものであれば、ほぼ乳腺組織にできるものであることから、この乳腺自体を予め取り除いてしまう、という方法ですね。

実母を若くして乳がんで亡くされ、ご自身の遺伝子診断で乳がん発症率がかなり高いと診断された彼女の選択は苦悩の後にとられたものだと思うので、批判するつもりはありませんが、かといって、英雄視してしまうことにも戸惑いを覚えます。

長い間、いつ発病するかという恐怖から逃れられるというメリットが伝えられていますが・・・。

私見としては、

・遺伝子診断で乳がん発症率がかなり高い、とされても、実際に癌が発現するのが100パーセントとは限らないこと。
・乳がん発症には、卵巣等から放出されるホルモン等も影響していること。
・女性のボディイメージの点を拡大視されがちな乳房ですが、乳腺も実は大切な働きをしている臓器のひとつであること。
・”予防”と表現されていますが、乳腺”除去”という外科手術であること。
・そもそも、外科手術は身体に侵襲性の高い方法であること。
・経過報告や術後データの少ない方法であること。

等々のデメリットも多い点から、少なくとも今の時点では、十分に吟味してから判断する方が良いように思っております。

たとえ医師に勧められたとしても、最終的には自分で熟考の上判断しなければならないと思います。

医療者の方々には、どうか医療ビジネスに偏らないご判断とデメリットを含めた十分なご説明、そしてひととしての誠実なご対応を心よりお願い致します。


・・・でも、この方法を選択した方を批判するつもりはありません。

どうか自信を持って、心身ともに生き生きと過ごされることをお祈りします。
http://www.yomiuri.co.jp/komachi/beauty/celeb/20130611-OYT8T01018.htm




はり・きゅう治療院 じんじん

痛みを遠ざける木 ルーヘンダ Ruta graveolens



昨年いただいた「ルー(ルーヘンダ、Ruta graveolens)」という名の植物、今年も黄色いお花をつけました。

住まいの敷地内に置くと、「痛み」から無縁でいられるのだとか。

ハーブの一種でもあり、独特なよい香りがします。


昔は食用にも使用されたそうですが、毒性があることが分かってからは香りと薬効の強いハーブとして知られているようです。

アゲハチョウの好物のようで、昨年は初夏に葉っぱが無くなりました。
今年はどうかな~♪


・・・「猫寄らず」の別名があるらしく、これを下さった方が、ノラ猫さんの来訪を切望している私に、「この植木をどこかにずらした方がいいかも知れませんよー」と本気で仰いました。


 子供のように軟らかい心を持った、優しい、やさしい方です。:)

 
どうか、皆様の心と身体の痛みが遠ざけられますように。




はり・きゅう治療院 じんじん