2012年5月15日火曜日

坐骨神経痛

このところの気候の変化は激しいものでしたね。

皆様お元気にお過ごしでいらっしゃいますか?

厳しい寒さや零期が和らぐはずのこの季節、身体は春から初夏の気候に徐々に対応していこうとします。
そこへ、今年は異例の寒波が下りて来ましたので、ちょっと体調も乱れ気味という方も多いことでしょう。

じんじんには、「坐骨神経痛の症状が急に強くなってつらい」と、おみえになる患者さまが続きました。

施術後には幸せそうな柔らかな表情でお帰りになられますが、いらしたときには痛みに耐えていらしたことがよく分かります。

坐骨神経痛の症状の中でもっとも多いものは、腰から太ももの外側を経て足の甲にかけてのしびれと痛みです。

独特な痛みで、はじめは筋肉痛かな?と思われる方も多いと思います。
実は私も数年前にこの症状に突然襲われ、自分自身に何度も鍼施術をして効果を確かめました。

この痛みやしびれの原因は、過度の運動による「すべり症」や、脊椎を支える筋肉の衰え、加齢などによって、脊椎の骨の間に挟まってクッションの役目をしている「椎間板」やその中にふだんは包まれている組織が飛び出たり脱核して、脊椎の後ろを走る神経を刺激してしまうことにあります。

刺激されているのは、腰椎脇から出る「腰神経」という脳神経の”枝”で、この走行に沿って症状が起きており、関連する筋肉の強いこわばりを伴って歩けなくなることもあります。

(MRIなどでは明らかにこの状態になっているのに、痛みや痺れをまったく感じないという方もいらっしゃいます。)

筋層より深いところに原因がある症状ですので、皮膚の表面や筋肉の浅い層に対する施術のアプローチではあまり効果は期待できません。

しかし、残念ながら、この症状の外科手術の成功率は高くありません。

そこで、身体のより深層に届き、しかも組織を傷つけるリスクの低い極細の「鍼」がこの症状の治療の得意分野とされています。

鍼灸治療のメリットは、リスクの高い外科的なアプローチではないことです。
その代わりに、痛みや痺れの原因をゆっくりじんわりとした効果を期待するものとなります。

私は、患者さんのお話を詳しく伺い、身体のこわばりを注意深く探って、痛みや冷えをしっかり取り除いてから、経絡の乱れを整える経穴(いわゆるツボ)や、古典に記される特効穴を選んで施術しております。

「・・・そういえば、痛みや痺れを感じなくなった」という状態に少しでも近づけることを目標にします。

強い痛みが長引くと、神経への局部的な刺激が実際には無い時にも脳が過剰な痛みを常に覚えるようにセットされてしまったり、精神的なストレスとなってあらたな疾病の原因になることもあります。

なるべく早い段階で、症状を和らげる施術を試みられることをお勧めいたします。

すこしでも楽になって、こころも軽やかに過ごすお手伝いをさせて頂けましたら幸いです。


はり・きゅう治療院 じんじん