2013年4月26日金曜日

「ツボ」とは何か

「ツボ」をおさえるとか、「ツボ」にはまった・・・など、様々な表現に用いられる「ツボ」とは何のことでしょうか。

「ツボ」のことを東洋医学の用語では、「経穴」といいます。

WHO(世界保健機構)でその位置などが定められてもおり、全身で361箇所あるといわれています。
(流派や治療家によって別説もあります。)

北里大学の東洋医学総合研究所漢方鍼灸治療センター(日本初の東洋医学研究・診療施設で世界保健期間(WHO)伝統医学研究強力センターの指定を受けている、早い時期から鍼灸治療を取り入れている医療機関としても有名)の副センター長、伊藤剛医師の談話を、週刊朝日の記事から部分的に紹介せていただきます。

・・・そもそも古代からの中国医療では、「気」とよばれる生命エネルギーが体内を流れ、それが滞ったり、不足したりすることで病気が起こると考えられていました。鍼灸では気の入り口を経絡、外界との入り口を経穴ととらえ、それらを刺激することで、気を巡らせて自然治癒力を高めていました。

という分かりやすいお話の後に話される、次の点が大きなポイントです!
鍼灸治療に対する科学的検証が進んでいるという一例だからです。

・・・こうした考え方を科学的に検証してみたところ、驚くことに、ツボには「外部刺激」を受け取る「感覚受容器」という神経のセンサーがあることが分かったというのです。

このおはなしを受けた取材記者の方のコメントが続きます。

神経のセンサーが刺激されると、その信号は神経を介して脊髄や内臓に作用したり、鎮痛物質(脳内モルヒネなど)を分泌したりする。また、自律神経やホルモン、免疫機構にも影響を及ぼす。古代の人はそれを無数の経験から知り、医療として体系をつくっていった・・・

私が長らく皆さんに知っていただきたいと思っていた点を、実に明快に分かりやすく紹介して下さっています。

ちなみに、「経」を中国では「じん」と読みます。

じんじんの名前の由来には、色々な思いと意味を込めましたが、「経」(じん)もそのひとつです。

じんじんのツボをおさえた治療と施術、安心して受けにいらしてくださいませ。


 ※週刊朝日(朝日新聞出版)、2013年5/3・10号、124ページから127ページまでの特集記事「シリーズ伝統療法第一弾」、週刊朝日記者、山本リカさんによる記事を参考にさせていただきました。




はり・きゅう治療院 じんじん

2013年4月25日木曜日

「糖」について②

人間の身体で使う「糖」を一番使うのはどこかご存知でしょうか?
それは脳で、約20パーセントを消費しています。

「糖」といってもお菓子や果物、またはお砂糖のままの状態ではなく、体の中でエネルギーとして使えるようになるには、生理的なプロセスを経る必要があります。

単糖類の「グルコース」という物質まで体の中で変化してはじめて、脳や身体のエネルギーとして使うことができるようになるのです。

ハードな勉強や、ちょっと難解な本の読解に挑むとき、仕事に取り組むとき、スポーツで戦略的に頭脳プレーをする時・・・等々、糖分が欲しい!と思うことはありませんか?

・・・あるいはもうとっくに無意識に、糖分を口にしているかもしれませんね。

それは脳がフル稼働しているとき、脳が「糖」を補給して!と命令しているからなのです。

とても難しい試験を終えると、何キロか痩せていた、なんていう話もしばしば聞きます。

ダイエットしたいときは、こんな風に脳をフル稼働させて糖代謝を促すという方法もありますね。 

話は少し変わりますが、神経外科医のアンドレ・ロザノ(Andres Lozano: Neurosurgeon)氏が、彼の講演でとても興味深いことを話しています。

アルツハイマーの患者さんの脳には、糖を使うことを拒んでいる領域が見られるというのです。

彼は、50人ほどの初期のアルツハイマーの患者さんの、脳の記憶に強くかかわる部分に電気的な刺激を与えて、その領域が活性して再び「糖」を使えるようにし、機能を回復させる研究をして成果を上げています。

私は糖分・糖質を闇雲に悪や危険なものと見なす事にはちょっと疑問があります。

「糖」をうまく摂って、脳と身体で効率よく使うことができると、様々に素晴らしい結果を出したり、クリエイティヴなことができたり、気持ちよく健康に過ごせるようになるわけですね。

そんな意味でも
SWEET MAKES YOU SWEET
なのではないでしょうか。


はり・きゅう治療院 じんじん

「糖」について

私たちの活力、エネルギーの元となる栄養素のひとつが「糖質」です。

取りすぎると肥満、”切れやすい”・・・など心身の健康障害の引き金ともなってしまいます。

http://www.facebook.com/junko.suzuki.31586#!/photo.php?fbid=567568576601536&set=a.214967201861677.62045.214320051926392&type=1&theater

上手に楽しく付き合いたいですね。


「糖」についての私の個人的な意見としては、次の2点が考えられると思います。

1)摂食するエネルギーとしての「糖質」。
 摂食した後、身体の中で糖質に変わりやすい炭水化物のような食品と、「砂糖」、果物などの「糖分」のバランス。
 一人ひとりの運動量に合わせて、消費できる程度の糖分を取ることが大切だと思います。

2)砂糖の類の製品の「安全性」。
 私は、「洗双糖」という精製度の低いものを使っています。
 食品全般に言えることですが、精製度の低いものが良いようですね。
 多くの白い食品や食材は、洗練された味覚ですが、大事な栄養素が生成過程で無くされているのですね。
 ここにある意見も、とてもいい指標になると思います。

・・・でも、私も甘いものは大好きです。
 SWEET MAKES YOU SWEET! ですから♪

http://www.facebook.com/junko.suzuki.31586#!/photo.php?fbid=578297772195283&set=a.214967201861677.62045.214320051926392&type=1&theater



はり・きゅう治療院 じんじん

2013年4月24日水曜日

鍼治療を愛好したピカソ 「週刊朝日」最新号の記事から

今発売中の週刊朝日(朝日新聞出版)、2013年5/3・10号の表紙に、

「本当に効く鍼灸の見分け方」

という記事の見出しが載っています。

記事は124ページから127ページまでの4ページに亘っています。

キャッチーな表紙の見出しよりも、とてもしっかりした内容で、週刊朝日の山本リカさんによる記事です。

記事の冒頭には白枠の太ゴシック体で

「ピカソも鍼を愛用していた!」とあります。

そうです。これはとても有名なエピソードです。

「・・・ピカソは持病の坐骨神経痛をフランスで鍼治療を受けて治して以来、鍼の愛好家になり晩年まで絵を描き続けた。」と書かれています。

日本では伝統医療とだけ捉えられがちな鍼灸治療ですが、ヨーロッパやアメリカでは、西洋医学の限界に突破口を開くものとして、既に信頼のおける治療として認識されています。

この記事は、日本初の東洋医学研究・診療施設で世界保健期間(WHO)伝統医学研究強力センターの指定を受けている、早い時期から鍼灸治療を取り入れている医療機関としても有名な、北里大学の東洋医学総合研究所漢方鍼灸治療センターへのしっかりとした取材や、米国の科学誌の権威である「ネイチャー・ニューロサイエンス」に掲載された、米国の医師によるマウスによる「足三里」というツボ刺激による鎮痛メカニズムの発表なども紹介しています。

・・・さて、「本当に効く鍼灸の見分け方」としてこのこの記事の最後のページに載っている鍼灸選びの条件ですが、全日本鍼灸学会などに所属していることなど、とあります。

私もこれまでこの学会に所属し、近年、本郷にある東大鉄門館でこの学会のご依頼に応じ、長時間講演を行わせていただきました。

「週刊朝日」最新号の記事、とても良い内容ですので皆様もぜひご一読くださいませ。



はり・きゅう治療院 じんじん

2013年4月11日木曜日

治療院でお花見を 2013・Part2



さくら・サクラ・桜・・・

はり・きゅう治療院じんじんから、南に5分ほどゆっくり歩いたところに桜の隠れた名所がございます。

神田川沿いに枝垂桜が10本余り咲き誇る「藤和緑地」です。

神田川に沿って、高井戸駅から西永福にかけては、染井吉野、山桜、そして枝垂桜と桃の花が同時に咲き乱れる遊歩道が続きますが、ここが枝垂桜のハイライト。
高井戸駅付近は染井吉野のハイライトです。。

花の下に佇むと、頭が飛んでしまいます。

今年は鷺、小鷺、鴨(?)、のほか、はじめて鵜が飛来しているのを見ました。

鯉も井の頭公園の花見客の喧騒を逃れて、ここで結ったり花筏の下で優雅にたゆたっています。

先日、著名な医療機関で看護婦を務められた後、近年公立大学の看護学校で教鞭を執られる患者さんと治療後にゆっくり歩いてお花見を楽しみました。

どうぞ治療の前後のお楽しみとして、この素敵な桜のお散歩をなさってみて下さいませ。

ほぐれた身体に美しい桜。 しばし憂さから解き放たれて、うっとりと幸せな恍惚感に浸ることができ、心もとき解れていきます・・・。


はり・きゅう治療院 じんじん

2013年4月2日火曜日

「むくみ」について

夏日、花冷えの日、そして冷たい雨の日など、このところ陽気の変動が激しいですね。

毎週おみえになる患者さんで、下腿の浮腫み(むくみ)が強まっていらっしゃる方を治療しております。

浮腫み(むくみ)の原因は様々です。

長時間経ち続けて身体の中の水分が足の方に下がってしまい、静脈やリンパ液などを還流させる力が弱いために起こる浮腫は、先ず、ふくらはぎの筋肉をよく動かして、本来ご自分がお持ちの”ポンプ”機能を呼び覚ますことから始めましょう。

そのためには、先ず、よく歩くこと。
歩くことが難しい状況にいらっしゃる方は、立ったまま、または座ったまま、足先を上下に動かしてみて下さい。
徐々に血液とリンパ液の還流が起きて、浮腫みが軽くなっていきます。

また、その還流を促すために、足をよく暖めてみて下さい。

この状態を快復させるために、はり・きゅうはとても良い効果をもたらします。

しかし、上記のような適切な運動などを繰り返し長く続けても効果のない方、または指で押したところが白くなって戻らないほどの強い浮腫みがある場合には、ほかの原因を探る方がよいでしょう。

それらは、腎臓や心臓循環器系など、内臓系の深刻な不調が考えられることもあるためです。

国家資格を持つはり師、きゅう師、あんま指圧マッサージ師は、3年に及ぶ専門知識の学習の中で、医師たちによる解剖学や生理学など西洋医学の知識と、鍼灸施術の「除外診断」をするための各症状を臨床医から学んでいます。

上記のような、腎臓や心臓循環器系など、内臓系の不調が原因と考えられる症状と判断した場合には、内科等の医師に診察していただくことをお勧めいたします。

施術の際に、どうぞ気になる症状や既往症を何でもお話くださいませ。

最適な施術と判断をして、お身体の管理と健康づくりのお役に立てるよう、最善の努力をいたします。


はり・きゅう治療院 じんじん

治療院でお花見を・2013年版

今年はさくらの開花がとても早かったですね。

咲き初めには夏日を向え、すぐに散ってしまうのでは・・・と気もそぞろになりましたが、花冷えの日、そして今日のような冷たい雨の日などが続き、とても長く花を楽しめましたね。

昨年に引き続き、じんじんの玄関にこの季節に相応しい浮世絵を飾っております。

今年は、豊国の『喜怒哀楽の内 楽』と題された華やかな作品を選びました。

満開のさくらを背景に、美しい女性たちがあでやかな着物を身に纏い、笛、月琴、で皆様をお迎えいたします。

さくらの花びら、女衆の着物の半襟、月琴の木目などが「から刷り」と呼ばれる、エンボッシングに該当する技法でふっくらと立体的に刷り上げられています。

題して、「治療院でお花見を・2013年版」。 桜はそろそろ一重から八重咲きに、また山桜にかわり行く頃ですが、じんじんでは今月一杯このお花見をお楽しみいただけます。 治療の前後に、どうぞお楽しいひとときを。


※この作品は、以下のように三枚ひと組みとして制作されたものですが、じんじんに飾っておりますのは、その中の右の一枚です。

                                 三代豊国 『喜怒哀楽之内 楽』 安政元年 / 大判3枚続
                     Toyokuni-lll  Kidoairaku nouchi "Raku" ("Pleasure" in the Emotions)


はり・きゅう治療院 じんじん