2013年3月2日土曜日

希慕長生・王義之

「希慕長生 晩年の王義之は、漢方マニアだった。」

というコラムが、「書聖 王義之」展のとても美しいデザインのカタログ、249ページに載っています。
http://o-gishi.jp/

展示作品の中には、漢方薬の「五石散」と「地黄湯」についてふれた手紙がありました。

また、知人の不調を聞くと
「今度、何か良い薬を探しておきましょう」などと便りを出したりしたそうです。

「五石散」については強力で危険な副作用を避けるために、服用後歩いたりすることが必須だったそうで、これが「散歩」の語源にもなったという旨が同項に記されています。

... 今回の展覧を観て、「書の至宝」展の表紙がなぜ、王義之の悲痛な心情を認め、その気配を漂わせる表現に至った名品「喪乱帖」だったのかを理解できたように思いましたが、「五石散」に頼った一面などを知ると、どこか鬱傾向に見舞われることも多い体質がおそらくあり、それが翻って創作の下支えにもなったのでは・・・などと想像しています。

見る度に、心に真直ぐ軸が打たれるような気持ちになる美しい書を能くして書聖と称えられ、人民の救済にも能力を発揮するなど行政官としても有能だった眩しいような存在の王義之ですが、こんな一面を知ると、心の安寧に苦慮する私(たち)常人にも近い性向もあったのかな、と勝手に親近感を覚えます。

・・・ただし、それを認(したた)めて、世代を超える名品を書したところが、やはり書聖、超人ですね。



はり・きゅう治療院 じんじん

0 件のコメント:

コメントを投稿